診療内容:ボトックス(シワ消し)|新城眼科オフィシャルサイト

ボトックス(シワ消し)

ボツリヌス治療とは

ボツリヌス治療の歴史は古く、1822年にドイツ人医師Justinus Kernerが記した論文に始まるとされています。
ボツリヌス菌が産生するたんぱく質は筋肉の活動を抑制する作用があります。1970年代の後半、アメリカの眼科医Alan Scottが斜視の治療に用いたことから、1980年代に入るとさまざまな疾病の治療に使われるようになりました。日本では現在、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸、小児脳性麻痺患者(2歳以上)の下肢痙縮などに伴う尖足(せんそく)などの治療において、健康保険診療が認められています。さらに2009年春から、自費によるアンチエイジング治療として、65歳未満の眉間の表情じわへの治療が適応となっています。

ボツリヌス治療の作用

この治療に使われる薬剤には、脳が筋肉に運動することを命令するときに働く神経伝達物質・アセチルコリンの働きを抑制することにより、筋肉の収縮を抑制する作用があります。
つまりボツリヌス治療とは、表情じわの原因となる筋肉に天然のたんぱく質を注射することで、筋肉の収縮を抑制してしわをできにくくする方法です。

効果と持続時間

注射した当日はほとんど効果が現れませんが、通常2~3日後から徐々に効果が現れてきます。その後1~2週間程度で効果は安定し、3~4ヵ月程度持続した後、数週間かけて徐々に消えていきます。そのため、大事な予定やイベントなど目標がある場合は、半月から1ヵ月くらい余裕を持って治療を受けることがおすすめです。

注射をする部位は?

眉間のしわの治療が目的の場合、その原因となる皺眉筋(すうびきん)と鼻根筋(びこんきん)に投与します。皺眉筋は、眉をひそめるときに使われる筋肉で、眉頭(鼻の付け根付近)から眉尻に向かって走り、眉間の縦皺を作ります。しわの現れ方から筋肉の位置を特定し、通常は左右2部位ずつに注射します。鼻根筋は両眉頭の間あたりに位置し、眉間を下に引っ張り横皺を作る筋肉で、通常はそこに1部位注射します。

ボトックス眼筋イラスト

副作用など

医薬品には副作用がつきものですが、ボツリヌス治療の場合、そのほとんどは薬剤の効きすぎによるもの。筋肉が必要以上にリラックスすることで眉毛が下がったり、まぶたが重くなることがあります。ただしその場合でも、半月から1ヵ月程度で症状が消えることがほとんどです。
20年以上の歴史があり、世界中で多くの患者さんが治療を受けています。
ただ、ボツリヌストキシンに対する筋肉の反応性は、個人差がありますから過去に注射して効きすぎた経験がある場合は、医師にその旨をしっかりと伝えて下さい。注射する量を調整する等、対応させて頂きます。